「夜中に何度も目が覚めてしまう」「朝起きると、どうも首や肩がすっきりしない」──。
いつまでも元気でいたい。そんな思いとは裏腹に、年齢を重ねるにつれて、若い頃のようにぐっすり眠れなくなったと感じている方、多いのではないでしょうか?
「年のせいだから仕方ないか」なんて、諦めてしまうのはまだ早いかもしれません。実はそのお悩み、毎日使っている「枕」を見直すことで、驚くほど改善される可能性があるのです。
睡眠は、単なる休息ではありません。日中の活動で疲れた心と体を修復し、明日への活力を蓄えるための大切な時間。その質を左右する最も身近なパートナーが、枕なのです。
自分にぴったりの枕と出会うと、まるでオーダーメイドの服のように体にフィットし、首や肩を優しく支えてくれます。すると、自然と深い呼吸ができ、血流も穏やかに。心も体もリラックスした状態で、質の高い眠りへと誘われるのです。
この記事では、長年の経験から「自分に合う枕なんて見つからない」と感じている方でも、きっと「これなら!」と思える一枚に出会えるよう、枕選びの基本から、ご自宅でできる簡単なチェック方法まで、一つひとつ丁寧にご紹介していきます。
さあ、あなただけの最高の枕を見つけて、すっきりとした目覚めと、はつらつとした毎日を取り戻しませんか?
いつまでも元気でいるために。60代からの枕選びが「睡眠の質」を決める理由
「若い頃はどんな枕でも平気だったのに」──。そう感じるのは、ごく自然なことです。私たちの体は、年齢とともに少しずつ変化していきます。その変化に合わせて、寝具、特に枕を見直すことは、健やかな毎日を送る上でとても大切なことなのです。
では、具体的にどのような変化が起こり、なぜ枕選びが重要になるのでしょうか。
年齢と共に変わる「体」と「寝姿勢」
年齢を重ねると、少しずつ背中が丸みを帯びてきたり、首のカーブ(専門的には頸椎弧と呼びます)が浅くなったりすることがあります。これは自然な変化なのですが、若い頃と同じ枕を使い続けていると、首と敷布団の間に不自然な隙間ができてしまう原因になります。
この隙間がくせ者で、寝ている間も首や肩の筋肉が緊張し続けてしまうのです。その結果、朝起きた時の「なんだか首が痛い」「肩が凝って重たい」といった不調につながってしまいます。
また、合わない枕はスムーズな寝返りを妨げることも。私たちは一晩に20回以上も寝返りを打つと言われていますが、これは同じ姿勢で体に負担がかかり続けるのを防ぎ、血液の循環を促すための重要な体の働きです。寝返りがしにくいと、体の歪みや血行不良の原因にもなりかねません。
つまり、今のあなたの体に合った枕を選ぶことは、寝ている間に体をしっかりと休ませ、翌朝を元気に迎えるための第一歩なのです。
「睡眠の質」そのものの変化
年齢を重ねると、深い眠りである「ノンレム睡眠」の時間が短くなり、浅い眠りが増える傾向にあります。そのため、ちょっとした物音や体の違和感で、目が覚めやすくなるのです。「夜中に何度もトイレに起きてしまう」というお悩みも、実は眠りが浅くなっていることのサインかもしれません。
合わない枕による首や肩への負担は、この「ちょっとした違和感」の最たるもの。無意識のうちに体にストレスを与え、浅い眠りをさらに助長してしまいます。
逆に言えば、体にぴったり合った枕で首や肩をリラックスさせてあげることで、わずかな違和感を取り除き、深い眠りを維持しやすくなるのです。
この点について、16号整形外科院長であり、枕の研究開発も行っている山田 朱織 医師は、枕の重要性について次のように述べています。
「睡眠のクオリティを上げるためには、まず寝返りをうちやすい枕と寝具を選ぶことが重要です。寝返りには、睡眠中の血流を促したり、布団の中の温度や湿度を調整したりする働きもあります。」
(出典:山田朱織枕研究所 公式サイト)
このように、専門家も寝返りのしやすさ、つまり枕の重要性を指摘しています。自分に合った枕は、ただ心地よいだけでなく、睡眠中の体の生理的な働きを助け、健康維持に直結する大切な役割を担っているのですね。
これだけは押さえたい!快眠枕を見つけるための3つの黄金ルール
「枕が大切なのはわかったけれど、お店に行くと種類が多すぎて、どれを選べばいいのか…」と途方に暮れてしまった経験はありませんか?ご安心ください。ポイントを3つに絞れば、枕選びは決して難しくありません。ここでは、あなたにぴったりの枕を見つけるための「黄金ルール」をご紹介します。
ポイント1:最も大切なのは「高さ」
枕選びで最も重要なのが、この「高さ」です。理想的な枕の高さとは、「リラックスして立った時の姿勢を、そのまま横になった時も再現できる高さ」です。
【仰向けで寝る場合】 仰向けになったとき、首の骨が緩やかなS字カーブを描き、額が顎よりもほんの少し(5度程度)高くなるのが理想です。枕が高すぎると顎が引けて気道を圧迫し、いびきの原因になったり、首の後ろの筋肉が伸びすぎて痛みの原因になったりします。逆に低すぎると、頭に血がのぼりやすく、寝つきが悪くなることがあります。
【横向きで寝る場合】 横向きになったときは、首の骨から背骨にかけてが一直線になる高さを選びましょう。枕が低すぎると頭が下がり、首や肩に負担がかかります。高すぎると首が不自然に曲がってしまいます。横向き寝が多い方は、ご自身の肩幅も考慮して、少し高さのある枕を選ぶと良いでしょう。
≪ご自宅でできる簡単高さチェック!≫ 壁に、かかと・お尻・背中・後頭部をつけて、リラックスして立ってみてください。このとき、壁と首の間にできる隙間の深さが、あなたに必要な枕の高さの目安になります。深さを測るのは難しいですが、ご家族に手を入れてもらうなどして、感覚を掴んでみてくださいね。
ポイント2:心地よさを決める「素材」
枕の中材(素材)は、寝心地や機能性を大きく左右します。それぞれに長所と短所がありますので、ご自身の好みに合わせて選んでみましょう。
素材の種類 | メリット | デメリット | こんな方におすすめ |
そばがら | 硬めでしっかり頭を支える。通気性・吸湿性に優れる。 | 虫がつく可能性、アレルギーの心配。定期的な手入れが必要。 | 硬めの枕が好きな方、昔ながらの寝心地を好む方。 |
パイプ | 通気性が抜群で熱がこもりにくい。丸洗いでき衛生的。高さ調整が簡単。 | パイプが動く音が気になる場合がある。素材によっては硬く感じる。 | 汗をかきやすい方、清潔さを重視する方、高さを細かく調整したい方。 |
低反発ウレタン | ゆっくり沈み込み、頭や首の形に合わせてフィット。体圧分散性に優れる。 | 通気性が悪く蒸れやすい。気温で硬さが変わることがある。 | 包み込まれるようなフィット感が好きな方、寝心地を重視する方。 |
羽毛(フェザー) | 柔らかく、ふんわりとした感触。吸湿・放湿性に優れる。 | へたりやすく、定期的に干す必要がある。柔らかすぎて頭が沈み込むことも。 | ホテルのような柔らかい寝心地が好きな方。 |
年齢を重ねると体温調節機能が変化することもあるため、熱がこもりにくく、通気性の良い「パイプ」や「そばがら」は特におすすめです。また、ご自身で中材を出し入れして高さを微調整できるタイプも、体の変化に合わせやすいため便利ですよ。
ポイント3:見落としがちな「形と大きさ」
枕の形や大きさも、快適な睡眠のためには見逃せないポイントです。
【形】 一般的な長方形の枕のほか、首元をしっかり支えるために中央がくぼんだアーチ型のものや、横向き寝の際に肩が楽になるよう両サイドが高くなっているものなど、様々な形があります。ご自身の寝姿勢の癖に合わせて選ぶと、よりフィット感が高まります。
【大きさ】 大きさは、寝返りを打っても頭が枕から落ちないよう、頭3つ分が入るくらいの横幅があると安心です。奥行きも、首だけでなく肩口までしっかりと支えてくれるくらいのゆとりがあると、肩への負担が軽減されます。ゆったりとした大きな枕は、それだけで包まれるような安心感が得られますね。
さあ、最高の枕を探しに。購入前から使い始めまで、失敗しないための実践ガイド
自分に合いそうな枕のイメージが湧いてきたら、いよいよ実践です。ここでは、お店で枕を選ぶ際の具体的なステップから、購入後のちょっとした工夫まで、失敗しないためのコツをご紹介します。
購入前にご自宅で準備しておくこと
お店に行く前に、一つだけ確認しておいていただきたいことがあります。それは、「今お使いの敷布団やマットレスの硬さ」です。
体は敷布団に沈み込むため、枕の最適な高さは敷布団の硬さによって変わります。例えば、柔らかい敷布団なら体が沈む分、低めの枕が合いますし、硬めの敷布団ならその逆です。ご自宅の寝具が「柔らかめ」「普通」「硬め」のどれに当たるか、意識しておくだけで、お店での試し寝の精度がぐっと上がりますよ。
お店での賢い試し方
枕は、必ずお店で実際に横になって試すようにしましょう。「ちょっと恥ずかしいわ」と感じるかもしれませんが、これから毎日お世話になる大切なパートナー選びです。遠慮は禁物ですよ。
- 店員さんに相談する: まずは店員さんに「自宅の敷布団は〇〇くらいの硬さです」と伝え、それに近い環境で試せるようお願いしてみましょう。
- 実際に寝てみる: 靴を脱いで、リラックスした状態でベッドに横になります。まずはいつも通りの仰向けの姿勢から。首や肩に力が入っていないか、呼吸は楽にできるかを確認します。
- 寝返りを打ってみる: 次に、左右にゆっくりと寝返りを打ってみましょう。余計な力を使わずに、スムーズに転がれるでしょうか?横向きになったとき、肩が窮屈に感じませんか?
- 5分以上は試す: 短い時間では本当の寝心地はわかりません。できれば5分から10分ほど、じっくりと体の感覚に耳を澄ませてみてください。
この4つのステップで、「なんだか心地いいな」「しっくりくるな」と感じる枕が、あなたにとっての有力候補です。
購入後、ご自宅での最後の微調整
新しい枕を家に持ち帰ったら、早速使ってみましょう。もし、「お店では良かったのに、少し高さが違うかも?」と感じても、慌てないでください。ご自宅で簡単にできる微調整の方法があります。
- 少し高いと感じる場合: 枕の中材が調整できるタイプなら、少し抜いてみましょう。調整できないタイプなら、一度使わずに様子を見るか、メーカーに相談してみるのも手です。
- 少し低いと感じる場合: これが一番簡単な調整法です。枕の下に、折り畳んだバスタオルを一枚ずつ敷いてみてください。数ミリ単位で高さを変えるだけで、寝心地が劇的に変わることがあります。
新しい枕に体が慣れるまでには、1週間ほどかかることもあります。すぐに「合わない」と決めつけず、タオルでの微調整を試しながら、少し気長に付き合ってみてくださいね。
枕と合わせて実践したい、ぐっすり眠るための夜の過ごし方
最高の枕が見つかったら、次は睡眠の質をさらに高めるための環境づくりです。ほんの少し夜の過ごし方を変えるだけで、眠りの深さが変わってきますよ。
【体をリラックスさせる習慣】 寝る1〜2時間ほど前に、38〜40度くらいのぬるめのお湯にゆっくりと浸かるのがおすすめです。体の芯から温まることで血行が良くなり、筋肉の緊張がほぐれます。そして、お風呂から上がって体温が少しずつ下がっていく過程で、自然な眠気が訪れます。
お風呂上がりには、穏やかな音楽を聴いたり、軽いストレッチで体をほぐしたりするのも良いですね。
【脳を休ませる準備】 スマートフォンやテレビ、パソコンの画面から出るブルーライトは、脳を覚醒させてしまう作用があります。少なくとも、寝る1時間前には電源をオフにして、目と脳を休ませてあげましょう。代わりに、ゆったりとした気持ちで本を読んだり、ご家族と静かにおしゃべりしたりする時間を持つのも素敵です。
【寝室の環境を整える】 寝室は、眠るためだけの「聖域」にしましょう。快適だと感じる温度や湿度にエアコンを調整し、遮光カーテンなどで部屋をできるだけ暗くするのがポイントです。静かで、暗く、快適な温度の空間は、質の高い睡眠に不可欠です。
自分に合った枕選びは、面倒なことではなく、これからの人生をより健やかに、より楽しく過ごすための「自分への投資」です。
焦らず、楽しみながら、あなただけの「最高のパートナー」を見つけてみてください。ぴったりと合う枕がもたらす、すっきりとした気持ちの良い朝は、きっとあなたの一日を輝かせてくれるはずです。
あなたにぴったりの枕が見つかり、健やかで楽しい毎日が末永く続くことを、心から願っています。
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