「なんだか最近、ずっと疲れがとれない……」
「理由もないのにイライラしたり、急に不安になったりする……」
「夜、しっかり眠れないし、朝もすっきり起きられない」──。
そんな、言葉にしづらい漠然とした不調に悩んでいる人、多いのではないでしょうか? 病院に行くほどではないけれど、毎日続く心と体の重さ。その原因、もしかしたら「自律神経の乱れ」が関係しているのかもしれません。
自律神経は、私たちの体を24時間365日、休むことなく支えてくれている「心と体の司令塔」です。この司令塔のバランスが崩れると、心身にさまざまなサインが現れ始めます。
「本当に効果のある方法ってあるのかな」──。そんな不安を感じるかもしれませんが、大丈夫。特別な薬や難しいトレーニングを始める前に、私たちにできることがあります。それは、毎日の「食事」を見直すこと。
実は、食べるものや食べ方を変えるだけで、自律神経のバランスは驚くほど整いやすくなるんです。この記事では、なぜ食事が自律神経にとって重要なのか、そして今日からすぐに実践できる具体的な食事のコツを、専門家の知見も交えながら詳しく解説していきます。
あなたのその不調、食事の力で、根本から見直してみませんか?
「心と体の司令塔」自律神経の乱れ、その正体とは?
そもそも「自律神経」とは、一体何なのでしょうか。なんとなく聞いたことはあっても、詳しくは知らないという人も少なくないはず。まずは、私たちの体を健やかに保つために不可欠な、このシステムの基本を知ることから始めましょう。
自律神経は、私たちの意思とは関係なく、心臓の鼓動や呼吸、体温、消化、血圧などを自動的にコントロールしてくれる神経のこと。いわば、体の機能を最適な状態に保つための「自動制御システム」です。
このシステムは、主に2つの神経によって成り立っています。
- 交感神経(アクセル役): 日中、活動している時や、緊張・興奮している時に活発になります。心拍数を上げ、血管を収縮させ、心と体を「戦闘モード」に切り替える働きがあります。
- 副交感神経(ブレーキ役): 夜、眠っている時や、リラックスしている時に活発になります。心拍数を落ち着かせ、血管を広げ、心と体を「休息モード」にして、体の修復や回復を促します。
健康な状態では、この「アクセル」と「ブレーキ」が、まるでシーソーのようにバランスを取りながら、状況に応じてスムーズに切り替わっています。しかし、強いストレスや不規則な生活、ホルモンバランスの変化などが続くと、この切り替えがうまくいかなくなり、バランスが崩れてしまうのです。これが「自律神経の乱れ」の正体です。
私たちの体には、意識しなくても精緻な制御を行う仕組みが備わっています。これと関連して、運動が上達するプロセスについて、運動制御を専門とする東京大学大学院の野崎大地教授(身体教育学コース)は、非常に興味深い見解を述べています。
「運動の学習には、間違いを経験してそれを修正していく小脳の働きが重要だと考えられていますが、私たちが注目しているのは、大脳皮質が学習にどう貢献しているかです。その結果、運動を司る大脳皮質運動野は、運動の学習が進むにつれて活動を低下させ、まるで“省エネモード”になることがわかりました。つまり、運動が上達するとは、運動野の活動をむしろ抑え、小脳などが自動的に体を動かす状態になることなのです。」
(出典:東京大学広報誌『淡青』35号「『念じれば通じる』を科学する」)
これは運動における話ですが、私たちの体を健やかに保つ自律神経の働きも、まさにこのような“自動制御”の賜物です。しかし、過剰なストレスや不規則な生活が続くと、この省エネでスムーズな自動制御システムにエラーが生じ、アクセルを踏みっぱなしになったり、ブレーキが効かなくなったりしてしまうのです。
だからこそ、日々の「食事」を通じて、この大切なシステムの働きを内側からサポートしてあげることが、何よりも重要になるのです。
今日から始める!自律神経を整える食事の「黄金ルール」
「じゃあ、具体的にどうすればいいの?」──。そう思いますよね。特別な食材やサプリメントを思い浮かべるかもしれませんが、その前に、まず意識したい3つの基本的な「黄金ルール」があります。この土台を整えるだけで、体は確実に変わり始めます。
ルール1:食事の「リズム」で体内時計をリセットする
私たちの体には、約24時間周期の「体内時計」が備わっています。この時計が正確に時を刻むことが、自律神経の安定に直結します。そして、その時計をリセットする最強のスイッチが「朝食」なんです。
- 朝食は絶対に抜かない: 朝、光を浴びて朝食を摂ることで、体内時計がリセットされ、交感神経がスムーズにオンになります。時間がない時でも、バナナ1本、ヨーグルト1個でも構いません。まずは「朝に何かを口にする」習慣から始めましょう。
- 1日3食、なるべく同じ時間に: 食事の時間がバラバラだと、消化器官のリズムが乱れ、自律神経にも負担がかかります。できるだけ決まった時間に食事を摂ることで、体のリズムが整い、自律神経のバランスも安定しやすくなります。
- 夕食は寝る3時間前までに: 就寝時に胃の中に食べ物が残っていると、消化のために交感神経が働き続けてしまい、体を休める副交感神経への切り替えがうまくいきません。結果として睡眠の質が低下し、翌日の不調につながります。
ルール2:「バランス」こそ最強の処方箋
自律神経を整えるには、特定の栄養素だけを摂るのではなく、多様な食材からバランス良く栄養を摂ることが不可欠です。そこで役立つのが「まごわやさしい」という合言葉。
- ま: 豆類(豆腐、納豆、味噌など)
- ご: ごま(ナッツ類も)
- わ: わかめ(海藻類)
- や: 野菜
- さ: 魚
- し: しいたけ(きのこ類)
- い: いも類
毎日の食事で、これらの食材を少しずつでも取り入れることを意識してみてください。完璧を目指す必要はありません。「今日は味噌汁にわかめときのこを足してみよう」「お昼のサラダに豆をトッピングしよう」そんな小さな工夫で十分です。
また、特に注意したいのが「血糖値の乱高下」。甘いものや精製された炭水化物(白米、パン、麺類)を一気に食べると血糖値が急上昇し、その後急降下します。この血糖値のジェットコースターは、自律神経に大きなストレスを与え、イライラや眠気の原因になるのです。野菜やタンパク質から先に食べる「ベジファースト」を意識するだけでも、血糖値の上昇は穏やかになりますよ。
ルール3:体を「温める」食事を心がける
「冷えは万病のもと」と言われますが、これは自律神経にも当てはまります。体が冷えると血行が悪くなり、自律神経の働きが鈍ってしまうのです。
- 温かい飲み物や汁物をプラス: 食事に温かい味噌汁やスープを一杯加えるだけで、内臓から体が温まり、副交感神経が優位になってリラックス効果が高まります。
- 冷たいものの摂りすぎに注意: 冷たい飲み物やアイス、サラダばかりの食事は、内臓を直接冷やしてしまいます。特に夏場は要注意。常温の水を選んだり、温野菜を取り入れたりする工夫が大切です。
具体的に何を食べればいい?自律神経に効く「お助け栄養素」と食材
基本のルールを押さえたら、次は自律神経の働きを特にサポートしてくれる「お助け栄養素」を意識してみましょう。コンビニやスーパーで手軽に手に入る食材ばかりなので、ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。
幸せホルモン「セロトニン」の素【トリプトファン】
セロトニンは、精神を安定させ、幸福感をもたらす神経伝達物質。このセロトニンが不足すると、不安や落ち込みを感じやすくなります。トリプトファンは、そのセロトニンの材料となる必須アミノ酸です。
- 多く含む食材: バナナ、大豆製品(豆腐・納豆・豆乳)、乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルト)、ナッツ類、赤身肉
神経の働きを正常に保つ【ビタミンB群】
ビタミンB群は、神経伝達物質の合成を助け、神経系の働きを正常に保つために欠かせない栄養素。特にビタミンB6はセロトニンの合成に、B12は神経の機能維持に重要です。
- 多く含む食材: 豚肉、レバー、うなぎ、カツオ、マグロ、玄米、卵
興奮を鎮め、ストレスを和らげる【GABA(ギャバ)】
GABAは、脳内の興奮を鎮め、リラックス効果をもたらすことで知られるアミノ酸の一種。ストレスや緊張を和らげる働きがあります。
- 多く含む食材: トマト、かぼちゃ、発酵食品(味噌・キムチ)、発芽玄米
天然の精神安定剤【マグネシウム】
マグネシウムは、神経の興奮を抑え、精神を安定させる働きがあるミネラルです。不足するとイライラしやすくなったり、不安感が強くなったりすることがあります。
- 多く含む食材: 海藻類(あおさ・わかめ)、ナッツ類(アーモンド)、ほうれん草、ごま、大豆製品
<シーン別・簡単チョイ足しレシピ>
- 忙しい朝に: ヨーグルトにバナナと砕いたアーモンドをトッピング!
- コンビニランチに: おにぎりに加えて、具だくさんの豚汁や豆腐の味噌汁をプラス!
- 疲れ切った夜に: 納豆に刻んだキムチとごまを混ぜてご飯にかけるだけ!
ホラ、この通り! ちょっとした工夫で、いつもの食事が自律神経を整える「お助けごはん」に早変わりします。
食事の効果を最大化する、もう一歩の工夫
食事の改善は非常に効果的ですが、その効果をさらに高めるために、生活習慣全体を見直すことも大切です。食事と密接に関わる「睡眠」と「腸内環境」に目を向けてみましょう。
睡眠の質を高める
夜、私たちが眠っている間に分泌される睡眠ホルモン「メラトニン」。実はこのメラトニンは、日中に作られたセロトニンを材料にしています。つまり、朝食でトリプトファンをしっかり摂ることが、夜の質の良い睡眠につながるのです。食事と睡眠は、このように深く結びついています。
腸内環境を整える「腸活」
「腸は第二の脳」と言われるほど、腸と脳は密接に関係しています(腸脳相関)。腸内環境が乱れると、その不調のサインが脳に伝わり、自律神経の乱れや気分の落ち込みにつながることが分かっています。
ヨーグルトや味噌、キムチなどの発酵食品や、野菜やきのこ類に含まれる食物繊維を積極的に摂り、腸内環境を整えることは、巡り巡って自律神経を整えることにもなるのです。驚くほど効果的なんですよ。
無理なく、心地よく。あなたのペースで始めよう
ここまで、自律神経を整えるための食事法について詳しくお話ししてきました。たくさんの情報に、「全部やらなきゃ」と気負ってしまう必要はありません。
「完璧じゃなくていい」──。
それが、一番大切なことです。
まずは、あなたが「これならできそう」と思えることから、一つだけ試してみてください。
明日の朝、バナナを一本食べてみる。
いつものランチに、味噌汁を一杯追加してみる。
夜、スマホを見る時間を少しだけ減らして、温かいハーブティーを飲んでみる。
そんな小さな、心地よい一歩が、あなたの乱れた自律神経のバランスを、少しずつ、でも確実に整えていってくれます。食事は、単なる栄養補給ではありません。毎日続く、自分自身を大切にし、いたわるための時間です。
あなたの心と体をいたわる食事で、穏やかで快適な毎日を取り戻しませんか? その小さな一歩が、健やかな未来へとつながっているはずです。
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