「この間の健康診断、血糖値の数値が少し気になって…」「いつまでも自分の足で元気に歩いて、旅行や趣味を楽しみたい」──。
年齢を重ねるにつれて、ご自身の健康について、そう真剣に考える機会が増えた方も多いのではないでしょうか。特に「糖尿病」という言葉には、どこか不安な気持ちを抱いてしまうかもしれません。「食事制限が大変そう」「好きなものが食べられなくなるのかしら」なんて、心配になりますよね。
でも、どうぞご安心ください。糖尿病の予防は、決して厳しい我慢の連続ではありません。実は、毎日の食卓にほんの少しの工夫を取り入れるだけで、そのリスクをぐっと下げることができるのです。
この記事では、60代からの皆さまが「これなら私にもできそう!」と感じていただけるような、無理なく、そして美味しく続けられる糖尿病予防の食事法を、専門家の知見を交えながら、一つひとつ丁寧に解説していきます。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、楽しみながら長く続けること。さあ、ご一緒に、未来の健康な笑顔につながる、賢い食生活への第一歩を踏み出してみませんか?
まずは知ることから。糖尿病が「こわい」本当の理由
糖尿病の予防について考える前に、まずはこの病気について少しだけ知っておきましょう。難しく考える必要はありません。大切なポイントだけ、ゆっくりご説明しますね。
糖尿病とは、一言でいえば「血液中の糖分(血糖)が多くなりすぎてしまう病気」です。私たちが食事で摂った糖分は、「インスリン」というホルモンの働きによってエネルギーに変わります。しかし、このインスリンの働きが弱まったり、量が少なくなったりすると、エネルギーになれなかった糖分が血液中にあふれてしまい、血糖値が高い状態が続いてしまうのです。
この病気のやっかいなところは、初期にはほとんど自覚症状がないこと。「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」と呼ばれることもあるほど、静かに進行していきます。
そして、糖尿病が本当にこわいのは、血糖値が高い状態が続くことで引き起こされる「合併症」にあります。血管は私たちの体中に張り巡らされていますが、血糖値が高い血液は、まるで砂糖水のようにドロドロになり、細い血管から少しずつ傷つけていってしまうのです。
特に影響を受けやすいのが、細い血管が集中している「目(網膜症)」「腎臓(腎症)」「神経(神経障害)」で、これらは三大合併症と呼ばれています。進行すると、失明や人工透析、足の切断といった、生活の質(QOL)を大きく損なう事態につながりかねません。
「なんだか怖い話ばかり…」と思われたかもしれません。でも、だからこそ「予防」が何よりも大切なのです。合併症が起こる前に、日々の生活習慣、特に「食事」を見直すことで、健やかな未来を守ることができます。
予防の鍵は「血糖値の安定」。食事が果たす大きな役割
では、どうすれば糖尿病を予防できるのでしょうか。その最大の鍵は、「食後の血糖値の急上昇(血糖値スパイク)を防ぎ、血糖値を穏やかにコントロールする」ことにあります。
食事をすると誰でも血糖値は上がりますが、急激に上昇し、その後急降下するような状態は、血管に大きな負担をかけてしまいます。この血糖値の乱高下を、日々の食事の工夫で緩やかにしてあげることが、予防の第一歩となるのです。
特に60代を過ぎると、加齢によって体の代謝機能が少しずつ低下したり、筋肉量が減ったりするため、若い頃と同じような食事をしていても血糖値が上がりやすくなる傾向があります。だからこそ、今の自分自身の体と向き合い、食事を「制限」するのではなく、「賢く選択」していく姿勢が重要になります。
食事は、私たちの体と心を作る大切な営みです。決して敵ではありません。これからご紹介する方法で、食事を健康を守る最強の味方につけていきましょう。
この点について、日本の公衆衛生を担う機関も、食事療法の重要性を明確に示しています。
厚生労働省 e-ヘルスネット は、糖尿病の食事療法の基本的な考え方について、次のように述べています。
「糖尿病の食事療法の目的は、血糖、体重、血圧、血清脂質を良好にコントロールし、合併症の発症や進展を防ぐことで、健康な人と変わらない生活の質(QOL)を保ち、健康な人と変わらない寿命を確保することです。」
(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病の食事療法」)
ホラ、この通り!食事療法は、何かを我慢するためではなく、いつまでも自分らしく、生き生きとした毎日を送るための、とても前向きな取り組みなのです。
今日からできる!血糖値を穏やかにする「食べ方」の工夫
難しい栄養計算や厳しいカロリー制限の前に、まずは「食べ方」を少しだけ意識してみませんか?驚くほど効果的な、とっても簡単な3つの工夫をご紹介します。
魔法の合言葉「ベジ・ファースト」をご存知ですか?
これは、食事の「食べる順番」を変えるだけの、とてもシンプルな方法です。具体的には、次の順番で食事を進めてみてください。
- 最初:野菜、きのこ、海藻類(食物繊維が豊富なもの)
- 次:肉、魚、卵、大豆製品(たんぱく質が主体の主菜)
- 最後:ごはん、パン、麺類(糖質が主体の主食)
なぜこの順番が良いのでしょうか?
それは、最初に食物繊維をたっぷり摂ることで、後から入ってくる糖質の吸収を緩やかにしてくれるからです。食物繊維が胃や腸の中でクッションのような役割を果たし、血糖値の急上昇、つまり「血糖値スパイク」を抑えてくれるのです。
「毎食、野菜のおかずを先に食べるのは大変…」と感じるかもしれません。そんな時は、お味噌汁の具をワカメやキノコ、根菜などたっぷりにしてみましょう。それを食事の最初にゆっくり飲むだけでも、立派なベジ・ファーストになります。食前に、もずく酢やめかぶなどの小鉢を一品加えるのも、手軽で良い方法ですね。
「ゆっくり、よく噛む」が最高の秘訣
昔から「よく噛んで食べなさい」と言われますが、これは糖尿病予防においても非常に大切な習慣です。
早食いをすると、脳が「お腹がいっぱいになった」と感じる前に、つい食べ過ぎてしまいます。その結果、一度にたくさんの糖質を摂ってしまい、血糖値が急上昇しやすくなるのです。
目標は「一口につき30回」。
最初は少し意識しないと難しいかもしれませんが、慣れてくると自然にできるようになります。簡単なコツは、一口食べたらお箸を箸置きに置くこと。このワンクッションが、自然とゆっくり食べるペースを作ってくれます。
よく噛むことは、血糖値のコントロールだけでなく、消化を助けたり、唾液の分泌を促して口の中を健康に保ったり、さらには脳の働きを活性化させたりと、良いことずくめ。ぜひ、今日から試してみてください。
腹八分目で、からだをいたわる
「もう少し食べたいな」と感じるくらいで、そっと箸を置く。「腹八分目」の習慣は、体をいたわる日本の素晴らしい知恵です。
やはり、食べ過ぎは血糖コントロールを乱す大きな原因になります。満腹になるまで食べてしまうと、インスリンを分泌する膵臓(すいぞう)に大きな負担がかかってしまいます。
腹八分目を実践する工夫としては、
- いつもより一回り小さいお茶碗やお皿を使ってみる
- 大皿から取り分けるのではなく、最初から一人分ずつ盛り付ける
- 食事の途中で温かいお茶を一杯飲み、一息つく
といった方法がおすすめです。ほんの少し物足りないくらいが、体にとってはちょうど良い塩梅。続けていくうちに、きっと体が軽やかに感じられるようになりますよ。
毎日の食卓が楽しくなる!「選び方」と「調理法」のコツ
食べる順番やペースに慣れてきたら、次は「何を選ぶか」にも目を向けてみましょう。バランスの良い食事は、健康長寿の基本です。
バランスの良い食事って、具体的にどんなもの?
難しく考える必要はありません。毎回の食事で「主食」「主菜」「副菜」の3つが揃っているか、チェックするだけで大丈夫です。
- 主食(エネルギーのもと):ごはん、パン、麺類など
できれば、精製された白いものより、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富なものを選びたいですね。白米に玄米や雑穀、押し麦を混ぜて炊いたり、食パンをライ麦パンや全粒粉パンに変えたりするだけで、ぐっと健康的になります。
- 主菜(体をつくるもと):肉、魚、卵、大豆製品など
たんぱく質は、筋肉を維持するために非常に重要です。特に、血液をサラサラにする効果が期待される青魚(サバ、イワシ、アジなど)や、良質なたんぱく質が摂れる大豆製品(豆腐、納豆、厚揚げなど)は、積極的に食卓に取り入れたい食材です。
- 副菜(体の調子を整える):野菜、きのこ、海藻類など
旬の野菜は栄養価が高く、味も格別です。ほうれん草や小松菜、ブロッコリーなどの色の濃い「緑黄色野菜」と、キャベツや大根、玉ねぎなどの「淡色野菜」をバランスよく、たっぷり摂ることを心がけましょう。1日に両手いっぱいの野菜を食べるのが理想です。
調理法ひとつで変わる!「蒸す・茹でる・焼く」を上手に活用
同じ食材でも、調理法によってカロリーや体への影響は大きく変わります。
「揚げる」「炒める」といった油を多く使う調理法は、どうしてもカロリーが高くなりがちです。たまの楽しみには良いですが、普段は「蒸す」「茹でる」「焼く」「煮る」といった、油をあまり使わないヘルシーな調理法を基本にしてみませんか?
例えば、電子レンジを使えば、野菜の蒸し料理はあっという間に完成!お魚も、フライパンで焼くよりグリルで焼いたほうが余分な脂が落ちて健康的です。
また、味付けは「減塩」を意識することも大切です。お出汁の旨味をしっかり効かせたり、生姜やみょうが、大葉といった香味野菜や、お酢やレモンなどの酸味、胡椒や唐辛子などの香辛料を上手に使ったりすると、薄味でも物足りなさを感じず、美味しくいただけますよ。
おやつだって楽しみたい!賢い間食の選び方
「甘いものは一切ダメ!」なんて思う必要はありません。おやつの時間も、人生の大切な楽しみの一つです。大切なのは、「何を選ぶか」「どれくらい食べるか」です。
おすすめの間食は、
- 素焼きのナッツ類(食物繊維や良質な脂質が豊富)
- 無糖のヨーグルト(カルシウムやたんぱく質が摂れる)
- 果物(ビタミン豊富ですが、糖分も多いので食べ過ぎに注意。りんごなら半分くらいが目安)
- チーズ
などです。もし甘いものが食べたくなったら、ケーキやクッキーなどの洋菓子よりも、脂質の少ないお饅頭などの和菓子を少量、という選択も良いでしょう。
食べる時間は、体が最もエネルギーを消費しやすい午後2時~3時頃がおすすめです。だらだらと食べ続けず、時間を決めて、温かいお茶などと一緒にゆっくり味わうことで、心も満たされますよ。
食事だけじゃない。健やかな毎日を送るための生活習慣
糖尿病予防は、食事と運動が両輪です。ほんの少し体を動かす習慣が、食事の効果をさらに高めてくれます。
「食後すぐの軽い運動」が効果的です
運動と聞くと、身構えてしまうかもしれません。でも、汗を流すような激しい運動は必要ないのです。最も効果的なのは「食後30分~1時間以内に行う、15~20分程度の軽い運動」です。
食後は、食事で摂った糖が血液中に入り、血糖値が最も上がりやすい時間帯。このタイミングで体を動かすと、筋肉が血液中の糖をエネルギーとして使ってくれるため、血糖値の上昇を効率よく抑えることができるのです。
- テレビを見ながら、その場で足踏みをする
- 食後の片付けが終わったら、近所を少しだけ散歩する
- 椅子に座ったまま、ゆっくりと足を上げ下げする
こんなことで十分です。「継続は力なり」。まずは週に数日からでも、無理のない範囲で始めてみてください。
質の良い睡眠と、ストレスとの上手な付き合い方
見落とされがちですが、睡眠やストレスも血糖コントロールに影響を与えます。睡眠不足が続いたり、強いストレスを感じたりすると、血糖値を上げるホルモンが分泌されやすくなってしまうのです。
毎晩ぐっすり眠るために、寝る前はスマートフォンやテレビの明るい光を避け、温かいハーブティーを飲んだり、好きな音楽を聴いたりして、心と体をリラックスさせてあげましょう。
また、日中は趣味に没頭する時間を作ったり、気の置けない友人と電話でおしゃべりしたりと、自分なりのストレス解消法を見つけておくことも、健やかな毎日を送る上でとても大切です。
小さな一歩が、10年後の笑顔をつくる
ここまで、糖尿病を予防するための食事法や生活習慣について、たくさんお話ししてきました。
「あれもこれも、一度に全部は難しいわ」──。
そう感じられたかもしれません。それで良いのです。大切なのは、完璧を目指すことではありません。まずは「これならできそう」と思えることを、今日からひとつでも始めてみることです。
食べる順番を少し意識してみる。いつもより5回多く噛んでみる。食後に5分だけ、家の周りを歩いてみる。
そんな本当に小さな一歩が、積み重なって、5年後、10年後のあなたの健康な笑顔へとつながっていきます。食事は、私たちの体をつくるための作業であると同時に、日々の暮らしに彩りを与えてくれる大きな楽しみでもあります。
賢い食事法を味方につけて、これからも美味しく、楽しく、そして生き生きとした毎日を、末永く送っていきましょう。
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